この人たちと“ふれあい”をもった人は、自分の中にある“やさしさ”に気付くようになります。
会話の中に“ありがとう”が自然と出てしまう毎日。素知らぬ顔をしているようで見守ってくれているのです。
2年前、生死の病に襲われたSさんへ、昨年、追撃ちをかけるように大病魔が取りつきました。
闘病中、時に遠い眼差しで口を真一文字にし、時に下を向いて痛みや恐怖に耐えながら、顔が合うとやさしい笑顔を見せてくれた彼女。我々の『ターミナル・ケア』は2年前から始まりました。職員は誰もが笑顔で支援にあたり、緊張を匿し、柔軟な支援をし続けました。
生前「みんなにこんなに良くしてもらって、罰が当たりそうだ。」と話すSさんを見て、自分が一番辛いのに他を思い遣る、仏のような姿に手を合わせたくなったことを思い出します。
あるがままで私たちの隣に居てくれ、大切なことに気付かせてくれたSさん。それが“やさしさ”でした。
平成22年4月1日
協和厚生園施設長 田沼貞美